フォーレの「ピアノとオーケストラのための幻想曲」を調べる(2)2020/06/09 23:00:00

今回は練習記号1、19小節から調べる。ここから練習記号2までは冒頭4小節のテーマの軽い展開である。まず目を引くのは、付点音符のピアノと管楽器の掛け合いだ。
フォーレ「ピアノとオーケストラのための幻想曲」第23小節
この掛け合いは、ちょっと管楽器には分が悪い。いくつかの演奏を聴いていると、ピアノの16分音符に管楽器の付点がずれてしまっているようだ。ここは仕方ないだろう。
次に目を引くのは、ピアノのメロディーが、2オクターブや3オクターブとして補強されていることである。
フォーレ「ピアノとオーケストラのための幻想曲」第26小節
この補強はピアノとオーケストラのための協奏曲ということからなされたのだろう。ただ、これによって細かなニュアンスが失われているところもある。上記は26小節から28小節の譜面だが、フォーレの初稿による27小節から28小節の下記譜面と比べてみよう。
フォーレ「ピアノとオーケストラのための幻想曲」第27小節
オクターブの補強がないかわり、付点の音を消えないようにはっきり伸ばそうとする意図が感じられる。

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