ねずみ色という表現を考える ― 2026/04/09 22:27:24
最近ある人から聞いた話を少し改変して紹介する。私に語ったその人が老人福祉施設へ行ったところ、高齢の婦人が色鉛筆を使って塗り絵をしていて、傍らに施設の若い職員がついていた。すると婦人が色鉛筆の束をしばし見て、「ねずみ色の色鉛筆はどこ?」と職員に尋ねた。すると職員は「ねずみ色?」とあっけに取られた様子になり、しばらく言葉を発しなかった。この二人のやりとりを見るに見かねたその人は、つい大声で職員に向って「グレー」と叫んでしまった。職員はやっと色がわかってねずみ色の色鉛筆を探して婦人に渡したという。
今の若い人には「ねずみ色」ということばが通用しないのだろうか。「灰色」ということばなら通用したのだろうか。いろいろ考えさせられた。そういえば、世界中で一番有名なミッキーマウスは何色だったろう、と思い出そうとしたがどうしても思い出せなかった。インターネットで見てみると、服を脱いでいるとき、上は黒色だった。
関連した話を思い出した(細部はあやふやで史実とは異なっている可能性が大である)。第二次世界大戦でフィリピンを占領した日本軍であったが、フィリピンの戦いで日本軍は敗れた。しかし、日本降伏後も現地の島に残った日本軍の兵士がいた。その日本兵が現地の島に住んでいることがのちにわかったことから、(おそらくは日本国政府が)その日本兵に対して投降を呼びかけることにした。おそらくは日本兵が隠れていると思われるジャングルに向って、次のように拡声器で呼びかけという。「ただいまからオレンジ色のもの(車?衣服を着た人?)を見かけたら、安心して投降してきてください。」これを聞いて、その日本兵は投降しないと決めたという。なぜなら、オレンジという、敵国語を使う相手は信用ならず、きっと傀儡政権に違いないと信じ込んだからだ、というものだ。
そう、このとき「みかん色」とか「だいだい色」といえばよかったのだが、このように呼びかけたときにはすでに、オレンジ色という呼び名が多数だったのかもしれない。
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