自己点検で思い出す ― 2024/03/11 23:59:59
そういえばむかし、ある大きな事件をきっかけにして、某組織が自己点検ということをやったことがあった。それに関連して、こんなことをある人から聞いたことがある。そのある人というのは、これから話題にする(某組織ではない)ある組織にいた人ではない。私に語ったある人は、話題にする組織にいた方から聞いた話だそうだ。こう書くと、まるでプラトンの「饗宴」みたいだが、「饗宴」ほど高尚な話ではない。
A社は傘下にいくつかの子会社を持つ大企業である。その組織で、子会社も含めて法令を順守しているかを調べるため、自己点検を毎年している。
あるとき、新たに入った子会社B社も含めて百数項目を超える自己点検を行った。A社はじめ従来の子会社は順守率は95%を超え、なかには100%に達した会社もあった。ところが、初めて自己点検を行ったB社は70%を下回った。B社の社長は恥をかかされたといってB社の点検集計者に怒り、とにかく順守率を上げろと檄を飛ばした。
そこで、B社の集計者は法令違反の詳細を調べるため、自社の営業のところに行った。ある項目での違反違反の証拠を見せてもらうと、取引先はA社だった。A社に確認すると、その項目での違反はないとA社では報告されていた。これはおかしい。取引での違反だからどちらも違反である。しかし、B社は正直に違反だと報告したのにA社は違反なしと報告した。B社集計者はA社に訂正と再調査を要求したが、A社は訂正も再調査も拒否した。
その後の話は誰も知らない。
最近のコメント