花鳥風月を思い出す2023/07/19 23:59:59

最近の新聞記事で知ったことがある。内田百閒が学生に提出課題を出すのだが、ろくに中身を見ない。それでも評価はしなければならないのだが、百閒先生の課題に対する評価は「花」、「鳥」、「風」、「月」のいずれかである。絶妙なのはこれらの言葉の選び方で、どれがどれより優れているとか劣っているとかの意味が一切ないことである。したがって、課題にランダムにこれらの評価を割り当てても実際には意味を持ちえない。よくぞ考えたものだと思う。

統計用途で使われることばで、尺度の種類がある。一般には、名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比率尺度の4つの分け方がある。名義尺度に意味があるのが、等しいか異なるかのみである。大小関係にも意味がないし、ましてや差や比にも意味はない。一方で順序尺度は等しいことのほかに大小関係にも意味がある尺度である。花鳥風月はまさに名義尺度として名づけるのにぴったりである。甲乙丙やABC、123はどうしても順序尺度としての意味を暗に引きずっている。

ところで最近、種類が3の名義尺度でふさわしいものがないかどうかを考えていた。少し調べて、どうやら「雪月花」がふさわしいという結論に足した。なお、グーチョキパーは、推移律が成り立たないが順序尺度が入ってしまって、まずい。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://marinkyo.asablo.jp/blog/2023/07/19/9606212/tb