『詰将棋の世界』を買う2021/03/27 23:00:00

最近、齋藤夏雄氏の『詰将棋の世界』という本を買った。今までに詰将棋の本は何冊か買っているが、詰将棋のルールをていねいに解説した本というのは買っていなかった。この本は、詰将棋のルールがていねいに書かれているし、また世間での一般的な詰将棋のルールをあえて変えたフェアリー系の詰将棋についても解説されていて貴重な本である。

なぜかというと、詰将棋のルールをていねいに解説した本を買ってこなかったか。その一つは、そのような本を必要としなかったというのがある。厳密ではなくとも、大略のルールがわかれば詰将棋は解けるからだ。言い方を変えると、大略がわかっていれば解けるように、問題としての詰将棋が作られているからだ。もう一つは、そのようなていねいに解説した本というのが極めて少なかったからだ。なぜ少ないかというと、さきほど触れたように、大略のルールで通常の詰将棋はことが済むからだ。

さて、この本では、詰将棋のルールについて当然述べられている。そして、厳密さが要求されるべきところは厳密に、そして解説を尽くしている。一方、詰将棋作家のあいだで見解が分かれている論点については議論が紛糾するような書き方は避けて、穏健な考えを述べている。これは賢明な態度だと思う。

著者の齋藤夏雄氏は数学者。同氏による、2003年度(平成15年度)看寿賞短編賞を受賞した作品がp.149に掲載されている。下記がその作品である。ただ、著者の照れなのか、巻末の人名索引に齋藤(斎藤)夏雄の名前がない。解答は本書にある。

987654321
持駒 金金桂桂
        
        
         
         
        

斎藤夏雄・『将棋世界』・2003年2月号