NHK の将棋番組で稲葉陽八段と斎藤慎太郎八段の対局を見る2021/03/22 19:33:58

きのうは NHK 杯の決勝である、稲葉陽八段と斎藤慎太郎八段の対局を見た。二人ともA級八段である。米長邦雄だったか、A級八段が一番強いという意味のことを言っていたように思う。いや、強いというのではなくて、自分がA級八段のころに戻りたい、ということだったかもしれない。A 級というのは、プロ将棋界の仕組みで名人のすぐ下にあるリーグの名称で、10人のみが在籍できる。八段というのは、A級に在籍すれば名乗ることができる称号であるが、ほかにも、七段になったあと既定の勝ち星を挙げれば名乗ることができる。将棋の段位は下がることはないから、A級八段というのは若くて貴重なのである。

さて、この両者は2020年度の順位戦では対照的であった。稲葉八段は順位9位となり、B級1組への降級という憂き目を見た。一方、斎藤八段は順位1位となり名人位の挑戦を決めた。そんな両雄を私は複雑な思いで見ていた。

対局は振り駒の結果稲葉八段の先手となり、戦型は角換わり腰掛銀となった。見ごたえある攻防が続いたが、最後は稲葉八段が王手ラッシュをかけ、斎藤八段の玉を即詰めに討ち取った。

プロは強いと思いつつ、今は将棋のソフトがプロより強い時代である。私が生きてきた中で一番の事件は、将棋のソフトがプロより強くなった、ということではないかと思う。それでも、人間が盤上に打ち込む姿を私は尊敬する。

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