ウェルナーのチェロ教本を振り返る2020/07/31 19:55:28

少し前にチェロの稽古を受けた。ウェルナーのチェロ教本 Op.12 の「上位の第1ポジション」である。フランス語では première position elevée, ドイツ語では Erhöhte erste Position, 英語では Raised first position である。それぞれのポジションではいつもダブルストップの課題に泣かされるのだが、このときは練習を重ねていたおかげで、先生は聞き逃してくれた。この「上位の第1ポジション」は全部で2ページあり、その次が第1、第2、第3、第4、ハーフのそれぞれのポジションの練習という標題がついている。この練習は、それぞれのポジションが第1、第2、第3、第4と上がっていくとともにボーイングも変化しているので、ポジションだけに気を取られていると痛い目に合う。冒頭は次の通り。
Werner 教則本 p.51-1

BFBCDCBF の繰り返しをしていると、バッハの無伴奏チェロ組曲第1番のブレリュードのように思えてくるから不思議である。
そしてポジションの変化とボーイングの変化に対応できたと思ったら、ポジションが下がるときに音程が不安定であることを指摘され、自分で嫌になってしまった。それでも闘志を奮い立たせ最後まで弾き終えたら先生が注意した。
「この最後から2小節前の1拍め、私も B がいいと思うんですけれど楽譜では D になっています。」
Werner 教則本 p.51-2
えっ!第1ポジションで開放弦のないつらさにずっと耐えていたのにここでなぜ開放弦を使っていいの、ずるいよそんなの、とおもわずむくれてしまった。
そして、副教材として使っているのは、アルブレヒツベルガーのスケルツァンドというチェロとピアノのための曲である。おそらく曲集の選曲者による編曲だ。原曲はどんな編成なのだろう。IMSLP には見当たらなかったが、Albrechtsberger, scherzando で検索すると、ピアノ、ヴァイオリン、チェロの三重奏の動画がちらほら出てくる。そして、私が持っているチェロの曲集は、ほとんどがヴァイオリンのメロディーを弾いているのだった。これでは難しいわけだよな。この曲は第7ポジションまで出てくるので高い音をとるのがやっとであり、持っていった。最高音の Cis を取るのに苦労したら、「この音は Cis ではなくて C ですね」といわれがっかりし、全体好評で「ダイナミックスが全然出ていませんね。もう一回持っていらっしゃい」と言われた。前回もっていった副教材の曲も最初にもっていったらお持ち帰りだったから、なかなか厳しくなっている。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://marinkyo.asablo.jp/blog/2020/07/31/9273958/tb