ヒナステラ:ピアノソナタ第1番2008/02/11 18:20:52

ヒナステラの作品の中で、もっとも人気の高い曲である。全4楽章。
第1楽章:ソナタ形式。全曲を通して変拍子と複合拍子が交錯する。第1主題はファンファーレ風の高音と湧き上がる低音の組み合わせによる力強い楽想。第2主題は装飾音を伴う子守唄風の楽想。
第2楽章:3部形式。無調のユニゾンによる無窮動に続きヒナステラ風のメロディーが顔を出す。
第3楽章:形式は不明。ギターの開放弦の音型(E-A-D-G-H-E)(ドイツ表記)から自由なアリアが生まれ、クライマックスに達する。
第4楽章:ロンド形式。3/4拍子と6/8拍子が絡み合う、血沸き肉踊る曲。ヒナステラのモチーフといえる、ソファミソファミレがここで聞こえる。このモチーフは、ハープ協奏曲の第1楽章でも使われる。

演奏はテレンス・ジャッドのものが群を抜いている。本ソナタの日本初演者である境さんのホームページや、本ソナタの各種演奏を聴き比べているkyushimaさんのホームページでも、テレンス・ジャッドの演奏の評価が高い。

ヒナステラ:ハープ協奏曲2008/02/11 18:54:13

ヒナステラらしさに溢れる、楽しい曲。ピアノソナタ第1番と並び、人気が高い。打楽器も大活躍する。
第1楽章:打楽器の喧騒から、憂いに満ちたハープの旋律が浮かび上がる。バックにときどきヒナステラのテーマ(ソファミソファミレ)が挿入される。
第2楽章:夜のしじまを思わせる美しい楽章。
第3楽章:五音音階の主題がハープとオーケストラのかけあいで展開される。

以下、戯言。
・日本のハープ奏者である吉野直子はたびたびこの曲を演奏している。あるときN響で競演したのだが、指揮者のサヴァリッシュは面食らっていたという。
・私はT教という宗教の門徒であるが、宗主T氏はヒナステラの大御所であり、このハープ協奏曲をギター協奏曲に編曲したという。完成したかは不明。